亜鉛はミネラルの一種で、細胞の成長や代謝、免疫系の維持に関係しています。
近年ではそれに加え、うつ状態との関係についても明らかになっています。
亜鉛とうつ状態との関係を、実際の調査結果やメカニズム等をふまえながら紹介してきます。
この記事の内容
うつ病患者は血中の亜鉛濃度が低い
まずは実際の人間を対象にした疫学調査の結果をみてみます。
1643人のうつ病患者と血液中の亜鉛濃度との関係を調査した研究では、うつ状態にある患者では、そうでない人よりも1.85μmol/Lも亜鉛濃度が低かったことを報告しました。
またそれだけでなく、同研究ではうつ状態の重症度と比例して亜鉛欠乏者の割合が増加したことも明らかになりました。
この結果から、うつ状態と亜鉛に何らかの関係があることが示唆されました。
なぜ亜鉛欠乏がうつ状態を生じさせるのか
では、どのようなメカニズムで亜鉛欠乏がうつ状態を生じさせるのでしょうか。
ラットを用いた研究によると、亜鉛欠乏食を与えたラットではコルチゾールの分泌が高くなったことを報告しました。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンです。主にストレスを受けた時に分泌されるホルモンであることから、ストレスホルモンとも呼ばれています。
うつ病の発症にこのホルモンの分泌が関係していることから、亜鉛欠乏が結果としてうつ病の発症を招いている可能性が示唆されています。
亜鉛の摂取がうつ状態のリスクを低下させる
亜鉛とうつ状態との関係は理解いただけたかと思いますが、重要なのは亜鉛を摂取することでうつ状態を改善させることができるか?という点です。
これについては1つのランダム化比較試験が参考になります。
30人の女性を2つのグループにわけ、1つのグループにはマルチビタミンのみを、もう1つのグループにはマルチビタミンと7mgの亜鉛を摂取させました。それを10週間服用してもらい、その間のメンタルヘルス関係のスコアを比較しています。
その結果、亜鉛のサプリメントを摂取したグループでは、しなかったグループと比較してうつ状態や怒りに関する項目が有意に改善されていました。
この研究結果から、亜鉛の摂取がうつ病のリスク低減に効果がある可能性が示唆されています。
まとめ
今回は亜鉛とうつ状態との関係について紹介しました。
亜鉛の7mg程度の亜鉛サプリメントを摂取することでうつ状態を改善し、メンタルヘルスの健康を保つことができると予想されます。
普段の食生活が偏っている・バランスの取れた食事を行う時間がないという方は、ぜひ亜鉛のサプリメントを取り入れてみましょう。
この記事を書いたトレーナー

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