たんぱく質には多くの種類があります。
今回とりあげる「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」もその種類の1つです。筋肉トレーニングに励んでいる人では、そのどちらを選択すべきか?というのは重要だと思います。今回は、筋肉をつけるためには、どちらのたんぱく質を摂取すべきなのか解説していきます。
この記事の内容
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の違い
たんぱく質は、アミノ酸がいくつも結合することでできている栄養素です。
そして、このアミノ酸の種類によってたんぱく質の性質は変化します。
今回焦点をあてている動物性たんぱく質と植物性たんぱく質も、そのアミノ酸の種類などが異なります。
一般に、動物性たんぱく質には必須アミノ酸(生体内で合成されないため食事から摂取する必要があるアミノ酸)が多く含まれており、植物性たんぱく質では少なくなっています。
こういった組成の違いもあり、植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質のほうが生体内での利用効率は高くなっています。
どちらが筋肉がつくか?
では、実際にそのたんぱく質の質に着目しながら、筋肉をつけるためにはどちらを摂取すべきなのかを確認していきましょう。まずは、下記の表に主要なたんぱく質の質について示しました:
ホエイ | カゼイン | 大豆たんぱく | 小麦たんぱく | 卵白 | |
---|---|---|---|---|---|
必須アミノ酸(%) | 50.9 | 45.1 | 38.1 | 29.3 | 44.7 |
生物価(BV) | 104 | 77 | 74 | 54 | 100 |
賞味たんぱく質利用率(NPU) | 92 | 76 | 61 | 41 | 94 |
タンパク質効率(PER) | 3.6 | 2.9 | 2.1 | 1.5 | 3.8 |
分岐鎖アミノ酸(BCAA%) | 25 | 23 | 20 | 16 | 22 |
ロイシン(%) | 11.1 | 10.4 | 8.2 | 7.5 | 8.9 |
転載)森永製菓:かんたん、わかる!プロテインの教科書:5大タンパク質の違い【動物性タンパク質、植物性タンパク質についても解説】
たくさんの数値が並んでいますが、これらの数値は高いほどたんぱく質としての質が高いと考えて差し支えありません。
たとえば、上から2つ目の生物価は、吸収されたたんぱく質のうち、どれだけの量が体にたんぱく質として保持されたかを示しています。
つまり、筋肉などに変換されやすいかどうかをあらわしているとも言えます。
たんぱく質利用率も同様の指標です。また分岐鎖アミノ酸やロイシンは、運動時に特に有用なアミノ酸として知られており、運動パフォーマンスを向上させたり、筋肉痛や疲労感の軽減に効果があると言われています。
参考)
・大塚製薬:BCAAは運動パフォーマンスを向上させる?必須アミノ酸BCAAとは
動物性たんぱく質は筋肉になりやすい
それぞれのたんぱく質について見てみると、動物性たんぱく質が全体的に質が高いことがわかります。
特に高いのがホエイたんぱく質。ホエイは、牛乳等からカゼインを取り除いた残りのことをさします。
なお、カゼインたんぱく質も全体的に高値を示しており、ホエイもカゼインも牛乳に含まれているたんぱく質です。
その他、卵白も必須アミノ酸の量でいえばやや少ないものの、生物価やたんぱく質利用率は高く、優秀なたんぱく源であることがうかがえます。
筋肉トレーニングに励む方が、積極的に摂取したいたんぱく質源です。
植物性たんぱく質の質は低め
それに対して、植物性たんぱく質は全体的に質が低いことがわかります。
この表では、大豆たんぱく質や小麦たんぱく質が該当しますが、いずれの数値も低めを示しています。
大豆たんぱく質には、コレステロールを下げる働きもあるといわれており、健康に対する良いな影響が知られているものの、トレーニングなどに励む方が摂取するたんぱく質源としては適していないかもしれません。
参考)
・世界の健康・栄養ニュース:大豆たんぱくはコレステロールを下げるか
まとめ
今回はたんぱく質の種類に着目し、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質のどちらがより筋肉がつきやすいかについて紹介しました。
結論としては、たんぱく質としての質が高い動物性たんぱく質を摂取するべきということになります。ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いたトレーナー

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