ビタミンを取ろう!効果、役割は?摂りすぎ注意!

ビタミンは、人間が生きていく上で必要な栄養素のうち、エネルギーを賛成する栄養素以外の有機物を総称して使われます。

ビタミンという言葉には、「生命」という意味を持つvitalと、アミノ酸を意味するamin(最初に見つかったビタミンであるビタミンB1にアミノ酸の性質があったことから)を合わせた意味があります。

文字通り、生命維持に必要な栄養素であるビタミン。今回はビタミンのもつ効果を紹介しつつ、昨今のサプリメント等の普及を鑑み、「摂りすぎ」のリスクにも焦点をあてて解説していきたいと思います。

脂溶性ビタミン

ビタミンA

ビタミンAは、レチノールとも呼ばれる脂溶性ビタミンです。

緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンも、体に入ると最終的にはレチノールとしての活性を有するようになります。

効果・役割

ビタミンAは、目の光刺激を受け取る部分にて重要な働きをしています。

そのため、不足すると暗いところで目が見にくくなることもあります。

その他、網膜や皮膚を保護する作用、細菌から体を守る免疫機能もあります。

摂りすぎた場合

通常の食生活では、摂りすぎに注意する必要はありません。

しかし、サプリメントやレバーの大量摂取によって、過剰症が発生することがあります。その場合、頭痛や肝臓障害等が発生するので、注意が必要です。

ビタミンD

ビタミンDは、食事から摂取する以外に、紫外線を浴びることによって皮膚でも合成されるという珍しいビタミンです。

ですので食事以外にも外に出て、紫外線を浴びることも不足の防止に効果的です。

効果・役割

腸でのカルシウムとリンの吸収を促進する働きがあります。

しっかりと摂っておくことで骨折や骨粗しょう症を回避できる可能性があることが知られています。

摂りすぎた場合

サプリメント等によってビタミンDの摂取量が多くなると、高カルシウム血症により、腎臓に障害がでる可能性がありますので要注意です。

なお、皮膚からの合成は、しっかりと調整されているため、紫外線を浴びすぎたからといって高カルシウム血症等になる可能性はありませんので、心配はいりません。

ビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用のあるビタミンです。ナッツ類に多く含まれています。

効果・役割

細胞膜にも存在しており、酸化の防止に役立っています。

また、赤血球の形成にも関与しています。

ですので、長期間にわたって不足した場合に、溶血性貧血等の欠乏症が生じることが知られています。

摂りすぎた場合

低出生体重児にビタミンEを投与した場合に、出血傾向が生じる場合があります。しかし、健康な成人の場合では、大量に摂取したとしても、そのようなリスクはありませんでした。

ですので、摂りすぎることを心配する必要はあまりありません。

ビタミンK

ビタミンKは、納豆に多く含まれている脂溶性のビタミンです。実際、納豆を一パック食べるだけで必要とされる量を十分に満たすことができます。

効果・役割

生体内では、血液凝固に関わっています。

出血した際などに、その血を固めて止める働きがあります。

血をサラサラにする薬と相反する働きをするため、そのような薬を飲んでいる人では納豆を食べないように指導されるほどです。

摂りすぎた場合

一般に、ビタミンKの摂りすぎに注意する必要は少ないとされています。納豆を毎日1パック食べる方でも、とりすぎのリスクはありません。

水溶性ビタミン

ビタミンB1

ビタミンB1は、水溶性ビタミンの一種で、チアミンとも呼ばれます。豚肉に多く含まれています。

効果・役割

ブドウ糖(グルコース)を代謝する際に利用されます。

ですので、糖質等の摂取量が増加するに従って必要な量も増加します。

欠乏すると、脚気と呼ばれる病気になることがあります。「江戸患い」と呼ばれる昔の病気でしたが、現在でも偏った食生活をおくっている人では発症する可能性はあります。

摂りすぎた場合

水溶性のビタミンなので、基本的に過剰症はありませんが、サプリメント等により慢性的に大量摂取した場合、健康障害が発生したとする報告もあります。

ビタミンB2

ビタミンB2は、主に卵や牛乳等に含まれる脂溶性ビタミンです。

効果・役割

脂肪などのエネルギー代謝に関与しているほか、皮膚での健康維持にも関わっている栄養素です。

不足すると、ニキビや口角炎などの皮膚に関する症状も現れます。

摂りすぎた場合

基本的には過剰摂取による心配は少ないとされています。

栄養ドリンク等を飲んだときに、尿が黄色くなることありませんか?あの黄色は、吸収できなかったビタミンB2の色です。

吸収できなかった分は尿に排泄されるので、過剰症が起きにくいのですね。

ナイアシン

ナイアシンは、その名前からは想像しにくいかもしれませんが、水溶性ビタミンの一種です。体内では、ニコチン酸の材料となります。

効果・役割

細胞におけるDNAの修復や合成に関わっています。

そのため、不足により、皮膚炎を主症状とするペラグラを発症します。

また、人間のエネルギーのもとになるATPの合成にも関与しています。

摂りすぎた場合

サプリメント等により大量摂取した場合に消化器系などに影響が出る可能性が知られています。

しかし、通常の食品からの摂取では、摂りすぎになることはありません。

ビタミンB6

ビタミンB6は、アミノ酸の代謝に欠かせない水溶性ビタミンです。

効果・役割

アミノ酸をエネルギーとして利用する際に、ビタミンB6は利用されます。

ですので、食事からたんぱく質を多く摂取する方は、意識してたくさん摂取する必要があります。

トレーニングに励む方にはイチオシのビタミンです。

摂りすぎた場合

ビタミンB6も、摂りすぎになることはほとんどありません。ビタミンB6の含有量が多い食品も少なく、また水溶性のビタミンで摂りすぎると尿から排泄されるからです。

ビタミンB12

ビタミンB12はコバルトを含む水溶性のビタミンです。コバルトが赤っぽい色をしているので、ビタミンB12も同様の色をしています。

植物性食品はほとんど含まれないことから、ベジタリアンでは不足する危険性が高いビタミンとして知られています。

効果・役割

血液に含まれる赤血球を作る役割があります。不足することで貧血になるリスクがあります。

摂りすぎた場合

ビタミンB12の吸収には、胃に存在する内因子が関係しています。この内因子が吸収量を調整しているため、摂りすぎることが少ないと言われています。

葉酸

葉酸は、ビタミンB12と同様、赤血球の生成に関係しています。

効果・役割

また、細胞増殖に必要なDNA合成にも関与しています。そのため、妊娠初期の段階でお母さんが葉酸をしっかりと摂取していないと、胎児に障害が起きる可能性があります。

妊娠の可能性のある女性では、必須とも言えるビタミンです。

摂りすぎた場合

通常の食品から摂取する場合は、摂りすぎることはありません。

しかし、サプリメント等から摂取する機会も多い葉酸では、それによる摂りすぎに注意が必要です。摂りすぎると、健康障害が発生することが知られています。

サプリメントの使用量や組み合わせに注意してください。

ビタミンC

ビタミンの中でも知名度の高いビタミンでしょうか。野菜や果物等に多く含まれます。

効果・役割

皮膚や細胞を構成するコラーゲンの合成に必須なビタミンです。美肌のためには、不足しないようにしたいところです。

もしビタミンCが不足してしまうと、コラーゲンが合成できなることから、血管が脆くなったり、歯茎から出血したりしてしまいます。

なお、喫煙により消費されてしまうビタミンですので、喫煙者は積極的に摂取しましょう(禁煙がベスト!)。

摂りすぎた場合

基本的には摂りすぎの心配はありません。たとえ過剰に摂取したとしても、尿中に排泄されます。

ただし、あまりにも過剰な量を摂取すると、吐き気や腹痛、下痢等の胃腸障害が発生することが知られています。あくまでも、適切な量を摂取するにとどめましょう。

まとめ

今回はビタミンについて簡単にまとめました。

サプリメント等で簡単に摂取できるビタミンですが、それゆえの怖さもあったりします。

ビタミンの役割や摂りすぎによるリスクを、簡単にでも良いので理解しておきましょう。

参考)
・厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2015年版)(2014)
・日本栄養・食糧学会 編:栄養・食糧学用語辞典 第2版, 建帛社(2015)
上西一弘:栄養素の通になる 第4版, 女子栄養大学出版部(2016)

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