あなたのダイエットがうまくいかない原因は、睡眠にあるかもしれません。
実は睡眠はダイエット、特に食事制限と深く関わっているのです。
そこで、今回は睡眠と食事制限の関係を解説します。
またダイエットをしても食事制限で失敗するという方は、最後にご紹介する安眠方法を取り入れてみてください。
ぐっすり眠れば食欲に負けない痩せ体質が手に入ります!
この記事の内容
睡眠が食事制限に与える影響
食事制限を成功させるには、暴走する食欲を抑えることが必要不可欠です。
ぐっすり眠れると、食欲を制して食べられないストレスで悩まずに食事制限ができます。
食事制限がしやすくなるのは、充分な睡眠が食欲をコントロールするホルモンの分泌バランスを整えるからです。
私たちの身体には、食欲をコントロールするレプチンとグレリンという2つのホルモンが存在します。
・レプチン:食欲を抑える
・グレリン:食欲を増やす
短時間の睡眠は食欲を抑えるレプチンの分泌を減らし、食欲を増やすグレリンの分泌を増やすことが研究で判明しています。
“1 週間以内の短時間睡眠により,交感神経の亢進,夕方のコルチゾールと成長ホルモンのレベルの増加,甲状腺刺激ホルモン,食欲抑制作用のあるレプチンの低下,食欲増加作用のあるグレリンの増加があり,これらのホルモン変化によりエネルギー摂取の増加,エネルギー消費の低下が起こり,体重の増加に至る”
出典:
大井 元晴, 陳 和夫 「III.肥満症とその合併症 5.肥満症と睡眠障害」『日本内科学会雑誌』一般社団法人 日本内科学会, 2011年, p.968
また、短時間の睡眠でコルチゾールというホルモンも増えます。
コルチゾール:ストレスを受けたときに分泌されるホルモン
ストレスが溜まるとドカ食いで発散するという人は多いのではないでしょうか。
食べることでストレスを発散しようとするのは、コルチゾールの増加が原因なのです。
ダイエットで食事制限をしても食欲が我慢できずに失敗するという人は、食事制限の方法ではなく睡眠を見直すことをおすすめします。
ぐっすり眠って食欲に関わるホルモンの分泌バランスを整えることが、食事制限の成功につながるのです。
ダイエットを成功させるための睡眠習慣とは
食欲をコントロールして痩せやすい体を手に入れるためには、質のいい睡眠が必要です。
質のいい睡眠をとるために取り入れるべき習慣をご紹介します。
睡眠時間は6〜8時間は確保する
実は、ダイエットや健康にいい適切な睡眠時間は明確になっていません。
適切な睡眠時間は年齢や季節によって違いがあるからです。
しかし、長く寝れば寝るほどいい、痩せやすいというわけではありません。
現在考えられている適切な睡眠時間は、6〜8時間です。
6〜8時間の睡眠時間の中で一番スッキリ目覚められる時間が、あなたにとってベストな睡眠時間になります。
“個人差はあるものの、必要な睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満のあたりにあると考える
のが妥当でしょう。睡眠時間と生活習慣病やうつ病との関係などからもいえることですが、
必要な睡眠時間以上に長く睡眠をとったからといって、健康になるわけではありません。
年をとると、睡眠時間が少し短くなることは自然であることと、日中の眠気で困らない程
度の自然な睡眠が一番であるということを知っておくとよいしょう。”
どのくらい寝ればスッキリ目覚められるのか、一度睡眠時間を見直してみてください。
夜はカフェイン入りの飲み物は控える
夕飯のあとにコーヒーや緑茶などカフェイン入りの飲み物を飲む習慣はありませんか?
夜にカフェインを摂ると寝つきが悪くなり、眠りの質が低下して痩せ体質が手に入りません。
カフェインを運動前に摂取すると、脂肪が燃えやすくなるのでダイエットにいいという説を知り、夜に運動をする前にカフェイン入りの飲み物を飲んでいる人もいるのではないでしょうか。
カフェインの覚醒作用は4時間続くため、最低でも寝る4時間前からカフェイン入りの飲み物は控えるようにしましょう。
心身がリラックスした状態でベッドに入る
心身をリラックスさせてベッドに入ると寝つきが良くなり、ぐっすりと眠れるようになります。
寝る前に心身をリラックスさせるためには、睡眠に影響を与える要素を見直すと効果的です。
出典:
北堂 真子, 「良質な睡眠のための環境づくりー就寝前のリラクゼーションと光の活用」『バイオメカニズム学会誌』29巻4号, バイオメカニズム学会, 2005年, p.194
上の図で特に次の要素は改善しやすいので、一度見直してみてください。
・香り:アロマオイルやアロマキャンドル、お香などを焚いて好きな香りで室内を満たす
・音:睡眠導入サウンドやゆったりとした音楽を流す
・光、照明:オレンジ色で明るすぎない温かみのある照明をつける、間接照明がおすすめ
・寝具:寝心地のいいマットレスや布団
また、寝る前にストレッチを行うこともリラックス効果が期待できるのでおすすめです。
ストレッチには血流を促す効果もあるため、むくみを改善して下半身痩せにも繋がります。
デジタルメディアの使用は1時間前から控える
寝る前のスマホチェック、パソコンやテレビでドラマ鑑賞をするのが習慣になっていませんか?
もしダイエット中なら、寝る前のスマホやパソコン、テレビなどを使うのはできるだけ控えましょう。
寝る前にスマホ等を使うと眠りの質が悪くなることが研究で判明しています。
“スムー ズに入眠するためには就床の1時間ほど前には、ストレスを感じたり興奮したりする刺激は避けた方が良いとされている。今回の実験から、就寝前に携帯電話を利用する習慣は、携帯電話利用を控えた時と比較して、脈拍の低下率が有意に小さかったことから、生体リズムの面から見ても、就寝前の携帯電話等のメディ ア利用が、副交感神経活動の亢進を妨げる可能性があると考えられる。”
スマホ等を使うかわりにベッドの上でできるストレッチやヨガ、マッサージをするとよりリラックスして眠れます。
何もしたくないほど疲れているときは、ベッドの上で手足を大きく広げて仰向けになり、目を閉じて鼻から深く呼吸をするだけでもリラックスできますよ。
まとめ
今回は質の悪い睡眠で食欲が暴走することや、ダイエットに効果的な質のいい睡眠をとるための習慣について解説しました。
夜更かしや睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモンが減り、逆に食欲を増やすホルモンが増えます。
食欲が我慢できずドカ食い、ダイエットに挫折しないためには、毎日充分な睡眠時間をとるだけではなく、寝る前に心身をリラックスさせて質のいい睡眠をとることが必要です。
食事制限が続かない、食欲が我慢できずに辛い方は、一度睡眠時間や睡眠時の室内の環境、そして心身の状態を見直してみましょう。
参考文献、URL
大井 元晴, 陳 和夫 「III.肥満症とその合併症 5.肥満症と睡眠障害」『日本内科学会雑誌』一般社団法人 日本内科学会, 2011年, p.968
良質な睡眠のための環境づくりー就寝前のリラクゼーションと光の活用
この記事を書いたトレーナー
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