筋肉量を増やしたい・効果的に減量したいという目的として、プロテインを愛飲してらっしゃる方は多いと思います。
しかし、どのくらいの量が必要かをしっかりと見極めている方は、それほど多くないのではないかと感じています。今回は、プロテインの最適な量や適切な摂取回数について解説していきます。
この記事の内容
なんのためにプロテインを飲むか?
まず、はっきりと理解しておきたいのは、なんのためにプロテインを飲むか?という点です。これをしっかりと理解しておかないと、その後の理解もつまづきますので、まずはここから整理していきます。
基本的には、プロテインは、食事で摂取しきれない栄養素を補うために利用します。
通常の生活を営んでいる人であれば、わざわざプロテインを摂取しなくとも、通常の食事から得られる栄養素の範囲で問題ない場合がほとんどでs。
しかし、ハードな運動を積極的に行っている人だと、普通の人よりも多くの栄養素(特にエネルギーやたんぱく質)が必要になります。
加えて、運動をしている人では交感神経が優位な時間が長くなるため、消化・吸収が抑制されている場合があります。つまり、通常の人よりも多くの食事を摂取する必要があるのです。しかし、単純に食事量を増やすことには限界があります。
参考)
・鈴木志保子, “理論と実践 スポーツ栄養学”, 日本文芸社 (2018)
そこで活用されるのがプロテインです。
通常の食事の範囲では摂取の難しい栄養素を、プロテインを摂取することで補います。
ですので、食事のかわりにプロテインを摂取するというのではなく、あくまでも、食事の補助(サプリメント)としてプロテインを利用するのが正しい活用法となります。
それに加え、運動直後など、通常の食事を摂取するのが困難な状況でもプロテインは活用しやすかと思います。
これらのことを踏まえた上で、必要なプロテインの量や摂取頻度を考えていきましょう。
自分に必要なプロテインの量はどのくらい?
1日に必要なたんぱく質は、特にスポーツを行っていない人だと、体重1kgあたり0.8g程度のたんぱく質で足りますが、積極的な筋肉トレーニングを行っている人だと、体重1kgあたり1.6~1.7g程度が必要と言われています。
参考)
・公認スポーツ栄養士直伝!アスリートや運動を頑張る方に必要なたんぱく質の量とは? : タニタ運営[からだカルテ]
なので、積極的に筋肉トレーニングを行う、体重が70kgの人だと、約120gのたんぱく質が必要な計算になります。これを例えば3食で分けたとすると、1食あたり40gのたんぱく質が必要ということになります。
これらをすべて食事から摂取できれば良いのですが、実際には難しいかもしれません。平成29年の国民健康・栄養調査の結果をみると、成人男性のたんぱく質摂取量は73~80g程度に、成人女性の場合は63~68g程度に収まっています。
参考)
・厚生労働省. “平成29年「国民健康・栄養調査」の結果”
これを通常の食事量だと仮定すると、成人男性などでは、1日に120gのたんぱく質が必要な方では、約40~50g程度のたんぱく質が不足するということになります。
この不足分を食事から補えれば良いのですが、40~50gという多くのたんぱく質を現在の食事に加えて摂取しようとする場合、食事を大きく変える必要があり、非常に難しいのが現状でしょう。
そういった場合に必要なのが、プロテインの適切な活用です。
プロテインは1回で20g程度のたんぱく質を摂取できるものが多いので、40gのたんぱく質を摂取する場合、2回分程度が必要な計算になります。
1日2回程度を目安に摂取する
1日に2回程度を目安に摂取するプロテインですが、基本的には運動後に摂取することをオススメします。これは、運動後に筋肉の合成が促進されているためです。
その他、たとえば朝食で充分な量の食事を摂取できないという方は、朝食に加えて摂取しても良いでしょう。その他では、間食として摂取したり、就寝前に摂取したりすると、効率的にたんぱく質を補給できますので、オススメです。
詳しいプロテイン摂取のタイミングについては、以下の記事を参考にされると良いでしょう:
筋トレしない日でもプロテイン摂取は有効
もし筋トレを行う日では、先で紹介したように運動後に加え、朝食や就寝前、間食での摂取が有効である旨を紹介しました。
では、筋トレをしない日ではどのように考えれば良いのかを紹介します。
結論から申し上げますと、筋トレをしない日であっても、同様に1日2回、プロテインを摂取することをオススメします。
これは、筋肉の合成は、筋トレをしていない日でも行われているためです。
これは筋肉トレーニングを行う際に欠かせない「超回復」を考えるとわかりやすいかと思います。
筋トレ後は、その先24~48時間における筋肉合成が高まり、運動前よりも強い筋肉を作ろうと人間の体は働きかけます。
参考)
・健康体力研究所:筋肉づくりの仕組み
ですので、筋トレの直後だけでなく、その後においても適切な量のたんぱく質を摂取する必要があるのです。
先にも見たとおり、筋トレを積極的に行う人が必要なたんぱく質量を、通常の日本人の摂取量ではまかないきることはできません。
したがいまして、その不足分をプロテイン摂取によって補うことが必要になります。
筋トレしている人と同様に、1日2回程度、プロテインを摂取すると良いでしょう。
摂取のタイミングも、同様に朝食や就寝前、間食などで問題ありませんので、トレーニングを行わない日でも同様に、しっかりとたんぱく質を摂取するようにしましょう。
1度に大量でなく、適切な量を複数回に分けて摂取する
先ほどより、筋トレを行う人におけるたんぱく質摂取の重要性について紹介してきましたが、プロテインを1度に2回分摂取すれば良いのでは?という疑問も当然あるかと思います。
わざわざ複数回に分けて摂取しなくても、1度に大量に摂取すれば1日の目標とする摂取量には届くでしょうが、それでは効率的に筋肉量を増加させることはできません。
これには、たんぱく質の吸収も関係しています。
たんぱく質は、大量に摂取したとしても、必要量を上回る分はエネルギーとして消費されてしまったり尿中に排泄されたりしてしまい、筋肉の合成に利用されない可能性があります。
様々な研究によると、筋トレ後に摂取するたんぱく質の適切な量は20gだとされており、1回の摂取でこれ以上を摂取になったとしても、筋肉の合成は有意に増えないとされています。
参考)
・リハビリmemo:筋トレの効果を最大にするタンパク質の摂取量を知っておこう
したがって、たんぱく質を1度に大量に摂取したとしても、その分は無駄になる可能性が高く、逆に他の時間帯で必要となるだけのたんぱく質が摂取できていなければ、その時間帯における筋肉の合成の機会を逃すことにつながります。
ですので、たんぱく質の摂取については20g程度のたんぱく質を複数回に分けて摂取するのが効率的ということになりますので、3回の食事に加えて2回程度、プロテインを摂取するのが筋肉の合成を最大化するために必要ということになります。
まとめ
今回はプロテインの量に焦点をあてて解説しました。
プロテインは、基本的には食事で摂取しきれない栄養素を摂取するために活用されます。そのため、食事量によっても必要な量は変わりますが、概ねたんぱく質40g、回数にすると2回分程度を目安に摂取されると良いでしょう。そしてこれは、筋トレを行う日でも、行わない日でも同様にオススメしたいことです。
今一度、自分のプロテインの必要量を見直してみると良いでしょう。
この記事を書いたトレーナー

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