トレーニングを続けていて、より高いレベルを目指すのであれば食事管理が不可欠です。
もっと筋肉を増やしたいけどなかなか増えない、なんてことはありませんか。
筋トレを続けていてある程度のレベルに達すると、どうしても伸び悩んでしまう時期があることでしょう。
この記事では、トレーニング効果を高めるために最適な食事のタイミングと、それぞれ時間帯ごとの食事について解説します。また、トレーニングと食事の関係についても解説していきます。
この記事で分かること
・空腹が筋肉に及ぼす悪影響
・食事と筋肉の関係
・ベストな食事のタイミング
この記事の内容
空腹はトレーニングの大敵
トレーニングがある程度のレベルに達すると、今度は筋肉を増やしたいと思うのは自然なことでしょう。筋肉を増やす、すなわち筋肥大を目指すのであれば、食事管理は必要不可欠になってきます。
筋肉を増やすうえで、常に気をつけたいのは「空腹状態を避ける」ということです。
この項目では、空腹とトレーニングの関係について解説していきます。
「カタボリック」「アナボリック」とは
カタボリックとは、筋肉の合成に必要な体内のアミノ酸が不足してしまい、筋肉がエネルギーとして分解される状態を指します。
反対に、筋肉が合成されているときのことを「アナボリック」と呼びます。
空腹時は体がエネルギーを欲している状態、つまりカタボリック状態であると言えるのです。
トレーニング後の空腹状態が長く続くと、エネルギー不足を補うためにどんどん筋肉が分解されてしまいます。
それだけでなく、空腹状態だと体が省エネモードになってしまい、逆に脂肪を蓄えようとする機能が働きます。
そうなってしまうと、いくらトレーニングをしても無駄になってしまうと言っても過言ではありません。
筋肉を増やしたいと思ったら、間食などを摂って筋肉に常にエネルギーが供給されている状態、すなわちアナボリック状態を維持することが重要といえます。
トレーニングと血糖値の関係
トレーニングの効率を高めるには、血糖値について知る必要があります。また、アナボリックホルモンと呼ばれている「インスリン」についても知っておくと良いでしょう。
このインスリンがアナボリックホルモンと呼ばれるのは、筋肉にとって非常に重要な働きをするためです。
この項目では、「血糖値」と「インスリン」について解説していきます。
血糖値がトレーニングに及ぼす影響とは
実は血糖値がトレーニングにも関係しているということをご存知でしょうか?血糖値と聞いても、健康診断のような機会がないと気にしないという人がほとんどだと思います。
血糖値とは、血中を流れるグルコース(ブドウ糖)の濃度の数値のことです。厳密な説明は割愛しますが、お米やパンなどの炭水化物や砂糖を使った甘いものを食べると血糖値が上がる、と言えばピンとくるでしょう。
糖質は、ダイエットをする人にとっては制限するべきものという認識が強いですが、筋肉を大きくするうえでは欠かせない要素でもあります。
筋肉を大きくするには、タンパク質以外にも、筋肉の合成のためのエネルギーを必要とします。そのエネルギーこそ他ならない糖質なのです。
したがって、血糖値を適度な状態に保つことが、筋肉を大きくするために重要と言えるのです。
血糖値とインスリンの関係
ここで血糖値に密接に関係しているインスリンについても説明したいと思います。
インスリンとは血糖値をコントロールするホルモンで、膵臓から分泌されます。インスリンは炭水化物を摂取したときに、筋肉にエネルギーを運んで貯蔵する働きをします。また、インスリンにはタンパク質の合成を促進するバリン、ロイシン、イソロイシンといった、いわゆるBCAAを筋肉に運ぶ役割もあります。
インスリンは炭水化物などの血糖値を上昇させるような食事を摂ると活発に分泌されます。また、空腹時にはインスリンの分泌は減少します。インスリンの分泌が減少してくると、筋肉へのエネルギーの供給量も減少します。
だからといって、闇雲に食事を多く摂ればいいというものでもありません。筋肉が一度に蓄えられるエネルギーには限度があり、余分な分は脂肪になってしまいます。
ボディビルダーやフィジーカーなどのアスリートが増量のために、一度に大量に食べて脂肪を増やすのはよくある話です。しかし、ボディビルなどは強靭な肉体を持ったアスリートだからこそできることであって、普通の人にとっては健康的とは言い難いため、競技レベルを目指さないのであればおすすめはできません。
健康のことを考えると、食事を回数に分けて食べるのがベストです。そうすることでインスリンの分泌量を一定に保ち、常に筋肉に栄養を送り続けることができます。同時に脂肪に変わってロスしてしまうことも防ぐことができるのです。
食事はトレーニングの前後どちらがベスト?
トレーニングをするときの食事のタイミングは、トレーニングの「前」「中」「後」すべてです。
具体的なタイミングは、トレーニングの2時間前、トレーニングの休憩中、トレーニング後30〜45分以内です。
トレーニング前には炭水化物や必須アミノ酸を含んだものを摂取するのがベストです。また、トレーニング中には水分や糖分を補給して、ガス欠にならないようにするといいでしょう。
また、トレーニング後には、炭水化物やタンパク質、ビタミンなど、筋肉の修復に必要なものを摂ることで、筋肉の回復と増量を促進することができます。
どの時間帯がベスト?
食事のタイミングは「6時間以上間隔を開けないこと」が重要です。また、間食することを考えると、3時間おきに食事を摂るのがベストです。
食事のタイミングはトレーニングの効果を大きく左右するほどの影響があります。言い換えると、食事を疎かにしてしまうと「いくらトレーニングをしても意味がない」ということにもなり得るのです。
人間の体にはホルモンバランスを調整することで24時間ずっと一定の状態を保つような仕組みがあります。この働きは、時間帯によって絶えず変化し続けています。
そのため、時間帯やトレーニングのタイミングによって食事のとり方を工夫する必要があるのです。
この項目では、以下に時間帯ごとに解説していきます。
起床後〜午前中
起床後や午前中は、炭水化物やタンパク質を多く摂るといいでしょう。人体は眠っている間にも、肉体を修復するためにエネルギーやタンパク質を消費しています。筋トレのようにハードな運動をしている場合は特にそれが顕著です。そのため、寝起きには睡眠中に失われた栄養を補給する必要があります。
起きてから数時間後に間食を取る場合も同様で、おにぎりやパンなどの炭水化物、サラダチキンやプロテインなどでタンパク質を補給するのがベストです。
正午〜夕方
昼食はできるだけたくさんの品目を多く摂るようにするといいでしょう。正午前後は、日中で最も代謝が上がっている時間帯なので、栄養の吸収効率も上がります。炭水化物やタンパク質以外にも、野菜や海藻などのビタミンやミネラルを多く含んだ食事を摂るのがベストです。
ただし、品目が多いとその分カロリーも多くなってしまうので、量を多くしすぎないことと揚げ物を食べすぎないことを意識しましょう。
また、15時前後に間食を摂るのであれば、炭水化物とタンパク質を意識しましょう。
夕方〜就寝前
夕食には昼食同様、栄養バランスを意識した食事を摂るようにしましょう。具体的には肉や魚などの良質なタンパク質を含んだ食品や、サラダなどビタミンを多く含んだものを食べるといいでしょう。
夕食から就寝の時間帯にかけては代謝が低下しており、摂りすぎたエネルギーが脂肪に変わりやすくなっているため、炭水化物を多く摂りすぎないように注意しましょう。また、タンパク質の吸収効率も低下してしまうため、豆類や乳製品から摂れる吸収の遅いタンパク質を意識して摂るようにするのがベストです。
まとめ
食事は普段の健康だけでなく、トレーニングの効果にも大きく影響を与えるものです。
栄養バランスだけでなく、食事のタイミングを工夫することはトレーニング効果を高めることにも繋がるため、高いレベルを目指すには常に意識する必要があります。
トレーニングも大切ですが、1日1日の食事まで意識できれば、より効率よく理想の肉体を手に入れることにも繋がってくるのです。
人体の仕組みを理解したうえで、適切なタイミングで食事をして、より高いレベルを目指すための参考にしてください。
参考・出典まとめ
筋トレするなら食事にもこだわれ! 筋トレ効果を最大化する食事の鉄則
運動・トレーニング後の食事の仕方 | POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)
夏までに理想のカラダを手に入れる 第5回 筋肉を落とさず脂肪を減らすために知っておきたい食事の基本
筋トレの時間帯と食事のタイミング|各パターンのメリット・デメリット│【公式】公益社団法人 日本パワーリフティング協会
Concurrent Resistance and Endurance Training による筋力発達が レジスタンストレーニグ単独より阻害され
この記事を書いたトレーナー
最新の投稿
基礎知識2020.02.26筋トレ効果を倍増させる食事のタイミングとは?時間帯ごとに解説
ダイエット2020.02.18筋トレ期間中にアルコールは摂取しても大丈夫?適量や飲み方のポイント
ダイエット2020.02.14ダイエット中はぐっすり眠ろう!睡眠が食事制限に与える影響とは
パーソナルトレーニング2019.09.09大型パーソナルジム紹介メディア「みんなのパーソナルトレーニング」に紹介されました
この記事へのコメントはありません。