世の中にはたくさんの脂質があります。
牛肉に含まれる脂身も脂質ですし、料理に使用されるオリーブオイルも脂質です。
一言で脂質といっても、その性質は異なるため、健康に与える影響も違ってきます。
今回は、体に良い油と悪い油の違いについて解説し、実際に脂質を選ぶ際にどのようなポイントに注目すれば良いのかを紹介していきます。
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この記事の内容
体に良い油と悪い油の違いは?
はじめに、体に良い油と悪い油との違いを紹介します。
結論から書くと、体に良い油と悪い油との違いは、主に脂肪酸の組成に関係しています。
脂質は、グリセロールに脂肪酸が結合することで構成されています。
この脂肪酸にはたくさんの種類があり、これによって、健康に良い油か悪い油かが決まってきます。
脂肪酸は炭素が鎖のように結合した構造をもっており、この炭素の数や結合の方法、また生体内で合成できるかによって、その性質は異なってきます。
当然、健康に与える影響も違ってきます。
以下で、脂肪酸の性質に着目し、実際に脂質を選ぶ際のポイントについて紹介していきます。
脂質選びのポイント
①飽和脂肪酸の少ない油
脂肪酸にはたくさんの種類がありますが、炭素同士の結合の間に、二重結合があるかないかによっても、脂肪酸は分類されます。
二重結合がないものを飽和脂肪酸、二重結合があるものを不飽和脂肪酸といいます。
このうち、飽和脂肪酸は避けたほうが良い脂肪酸です。
飽和脂肪酸は、肉やバターなどの動物性食品に多く含まれる脂肪酸で、摂取量の多い人で脳卒中のリスクが上昇するなど、健康への影響が懸念されている脂肪酸でもあります。
参考)
・国立がん研究センター:多目的コホート研究(JPHC Study) 飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について
ですので、動物性食品を中心に、飽和脂肪酸の多い脂質はできるだけ避けるようにすることが、脂質選びのポイントとなります。
②必須脂肪酸の多い油
また、脂肪酸には必須脂肪酸と呼ばれる種類の脂肪酸があります。
これは、人間の体では合成できない、食事から摂取する必要がある脂肪酸のことを指します。
これらの必須脂肪酸が含まれる脂質を積極的に摂取するようにしましょう。
具体的には、n-3系脂肪酸(オメガ3)やn-6系脂肪酸(オメガ6)が該当します。
α-リノレン酸やEPA・DHAなどがn-3系脂肪酸に、リノール酸がn-6系脂肪酸に含まれます。
これらの脂肪酸は、「日本人の食事摂取基準」においても基準値が定められており、他の脂肪酸と比べて重要度が高いことが読み取れます。
必須脂肪酸は植物油や魚の油などに多く含まれています。
油を選ぶ際には、これらの油を積極的に選ぶと良いでしょう。
③長鎖脂肪酸より中鎖脂肪酸
脂肪酸は、炭素がいくつか結合していることで構成されていることは先に示しました。
この結合している炭素数によって、脂肪酸を分類することができます。
一般的に、炭素数4個以下のものを短鎖脂肪酸、炭素数が5-12個のものを中鎖脂肪酸、それ以上のものを長鎖脂肪酸といいます。
短鎖脂肪酸は基本的には腸内細菌から合成されるもので、食事に含まれる量は微量なので詳細は省略します。
中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸と比べて効率的にエネルギーとして利用されやすいとされており、体脂肪になりにくい脂肪酸として注目されています。
参考)
・日清オイリオ:MCTサロン 体脂肪になりにくい中鎖脂肪酸
ですので、脂質を選ぶ際には、中鎖脂肪酸の多いものを積極的に選ぶようにすると良いでしょう。
ただ、一般的に自然界に存在する脂質には、中鎖脂肪酸が多く含まれているものは少なかったりします。
ですので、各企業より販売されている、特別に製造された中鎖脂肪酸の多い油を選択すると良いでしょう。
補足ですが、先に挙げた必須脂肪酸の多くは長鎖脂肪酸です。
ですので、長鎖脂肪酸を摂らないほうが良いというわけではなく、必須脂肪酸を中心とした長鎖脂肪酸を適切な量摂取しつつ、それ以外の部分は中鎖脂肪酸を摂取するとお考えください。
まとめ
今回は体に良い油と悪い油の違いについて紹介し、正しく健康によい脂質を摂取できる方法について解説しました。
脂質は油断すると摂りすぎてしまう栄養素でもありますので、できるだけ健康によい脂質を摂取できるように心がけてみましょう。
この記事を書いたトレーナー

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