たんぱく質や脂質と並んで、三大栄養素の1つとして数えられる炭水化物。
糖質制限が流行しているためか、ダイエッターやトレーニーからは厳しい目で見られている印象です。
しかし、栄養素として重要であることは、昔も今も変わっていません。炭水化物の基本的な知識について理解しておくことで、その重要性も理解できるのではないでしょうか。
下記も参考にどうぞ!
この記事の内容
炭水化物の種類
炭水化物は大きく糖質と食物繊維とに分類されます。
この分類は、人間の消化酵素で簡単に消化できるかどうかで決定されています。
消化できるのが糖質、できないのが食物繊維です。
糖質
さらに、糖質にもいくつかの種類があります。
これを決めているのは重合度です。重合度というと難しそうな印象を受けますが、簡単にいうと、炭水化物の最小構成単位である単糖がいくつ結合しているかということを示しています。
1つだと単糖類、2つだと二糖類、3~9程度で少糖類、それ以上は多糖類と呼ぶことが一般的です。
単糖類にはブドウ糖・果糖などが含まれ、二糖類にはショ糖(砂糖)や麦芽糖、少糖類にはいわゆるオリゴ糖が含まれます。多糖類にはアミロースやアミロペクチンなどが含まれており、これらはご飯(白米)に含まれる炭水化物のうちで多くを占めています。
参考)
・e-ヘルスネット. 炭水化物
食物繊維
なお、食物繊維は多糖類に該当します。こちらは水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維に分けることができます。水溶性食物繊維にはジャムやゼリーなどのゲル化に関与しているペクチン、海藻などから抽出されるカラギーナンなどがあります。一方不溶性食物繊維には、野菜などの繊維であるセルロース、エビやカニなどの含まれるキチンがあります。
参考)
・e-ヘルスネット. 食物繊維
炭水化物の働き
重要なエネルギー源
炭水化物の最も重要な働きは、エネルギー源としての役割です。
主にエネルギーになるのは、炭水化物の中でも特に糖質で、消化・吸収され、肝臓に取り込まれます。
一部は肝臓にグリコーゲンの形で貯蔵され、また一部はそのままの形で体の各組織に運ばれます。
代謝され、およそ1gあたり4kcalのエネルギーを産生します。
人間の体では、主にブドウ糖をエネルギー源として利用している組織があります。
その代表は脳です。ケトン体も利用こそできますが、ケトン体を生成するのは肝臓にも負担がかかります。
エネルギー源としては糖質の方が効率は良いのです。
食物繊維は生活習慣病の予防にも効果
食物繊維も炭水化物ではありますが、人間の消化酵素では分解できないため、単糖などの形でエネルギー源となることはありません。
消化されず、小腸や大腸にまで到達します。
食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレストロールを排泄するなどの働きがあるため、エネルギー源というよりも、生活習慣病の発症予防等への関与が期待されています。
加えて、便量の増加や腸内環境を整えるなどの効果があることも知られています。
炭水化物の必要な摂取量
炭水化物は体の重要なエネルギー源となるため、不足によってエネルギー不足になる可能性が考えられます。加えて、ブドウ糖を主なエネルギー源とする脳などにおいて充分に必要な量を供給できないと、意識障害などが発生する可能性があります。一方で、摂りすぎてしまうと中性脂肪として蓄積されてしまうため、注意が必要です。
参考)
・e-ヘルスネット. 炭水化物 / 糖質
最低限必要な炭水化物の量は明らかではありません。
しかし、100g/日程度は最低でも摂取した方が安心だと考えられています。
一方で、炭水化物の摂取における目標量は、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、総摂取エネルギーの50~65%とされています。これは、たんぱく質や脂質の過剰も考慮に入れたものです。
もし2000kcalのエネルギーが1日に必要な場合、250g(50%)~325g(65%)を炭水化物から摂取することを目標とすべき、ということになります。
参考)
・日本人の食事摂取基準(2015年版)
昨今は糖質制限食が流行していますが、ここで紹介した摂取量を目標として、日々の食生活を考えてみてください。
まとめ
今回は炭水化物に関する基礎知識について解説しました。
正しい知識を身につけることは、正しい食生活を送る上で重要になってきます。ぜひ理解した上で実践してみてください。
この記事を書いたトレーナー

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