摂るべき炭水化物と控えるべき炭水化物は?

一口に炭水化物といっても、その質は様々です。

ですので、積極的に摂取したい炭水化物と、できるだけ控えたい炭水化物が存在します。

今回は、炭水化物の「質」に着目し、積極的に摂るべき炭水化物とできるだけ控えるべき炭水化物を紹介したいと思います。

積極的に摂るべき炭水化物

①玄米や全粒粉のパン

玄米や全粒粉のパンを始めとした全粒穀物は積極的に摂取したい炭水化物です。

これらの全粒穀物は、種々の疫学研究においても健康に良いことが示唆されており、好き嫌いや手間等の問題がなければ、積極的に食卓に取り入れていきたい食品の1つです。

参考)
成田崇信:健康のためには白米を玄米に変えるべき?(2019)

②野菜や果物

意外に思われるかもしれませんが、にんじんやだいこん、ほうれん草などの野菜には、多くの炭水化物が含まれています。
またバナナやりんごなどの果物にも、果糖という形で炭水化物が含まれています。

これらの炭水化物は、GI値が低く血糖値の急激な上昇を抑えられるというメリットがあります。

GI値については下記を参照:

炭水化物は太る?GI値ってなに?低GI食品のメリット・デメリットを紹介

その他、いうまでもありませんが、これらの野菜や果物には、ビタミンやミネラルなどの炭水化物以外の栄養素も豊富に含まれています。

ですので、炭水化物源として積極的に摂取したい食品です。

③イモ類

さつまいもなど、食物繊維が多く含まれるイモ類も、積極的に摂取したい炭水化物です。

食物繊維は消化や吸収を受けずに、そのままの形で小腸や大腸にまで到達する栄養素です。

よく知られている便秘の予防・改善効果のほかにも、血糖値の上昇を抑えたり、血液中のコレステロール濃度を低下させるなどの効果があります。

参考)
厚生労働省:e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康(2019)

食物繊維は摂取が難しい栄養素の1つです。これが炭水化物源となる食品に含まれていると、食生活全体での栄養バランスを整えるのも容易になります。

できるだけ控えるべき炭水化物

①砂糖などの糖類

砂糖などの糖類、またそれが含まれる清涼飲料水や菓子などもできるだけ控えたいところです。

食品に甘みをつけるために利用されることが多い糖類ですが、炭水化物としての質はよくありません。

WHOも、糖類から摂取するエネルギーを全体の10%未満に抑えることを強く推奨しており、さらに健康増進のためには5%未満に抑えることを勧めています。

参考)
日本WHO協会:糖類摂取量に関する新ガイドライン(2015)

②白米・白いパン

「積極的に摂取したい炭水化物」として全粒穀物を紹介しましたが、それとは反対に、玄米を精製した白米、全粒粉を精製した小麦粉を利用した白いパンなどは避けたほうが良いでしょう。

これらの炭水化物は、血糖値の上昇させ、また動脈硬化(脳卒中や心筋梗塞など)のリスクを上昇させることが、多くの研究によって示唆されています。

参考)
津川友介:最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ, 東洋経済ONLINE(2018)

これらの炭水化物は私たちの食生活に根付いています。

しかし、健康のためを考えると、それらは玄米や全粒粉のパンなど「茶色い炭水化物」に変更したほうが良さそうです。

③果物や野菜ジュース

果汁100%の果物ジュースは、一般に健康によいとされていますが、実は健康にはよくありません。そのままの形の果物や野菜と、それを加工したジュースとでは、健康に与える影響は180℃異なるのです。

最新の研究では、生の果物を食べている人では糖尿病のリスクが低かった一方、果物ジュースを多く飲んでいる人では糖尿病のリスクが高いことがわかっています。

参考)
津川友介:医学的に「健康に良い食べ物」は5つしかない, 東洋経済ONLINE(2018)

野菜・果物が不足しているからといって、コンビニエンスストアでそれらを加工したジュースを買っているという人は要注意。
ジュースではなく、生の野菜・果物を食べるようにしたいところです。

まとめ

今回は炭水化物の質に着目し、摂るべき炭水化物と控えるべき炭水化物とについて紹介しました。

注意したいのは、ここで、できるだけ控えるべき炭水化物として紹介したものは、絶対にとってはいけないというものではありません。

甘いもののない生活も楽しくないですし、玄米で作られたお寿司なんて美味しそうと思えません。

健康に悪いとされるものでも、日々の食生活のバランスを見ながら食事を選択していきましょう。

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