筋肉がたんぱく質からできていることは、多くの方が知っていることです。
特に積極的にトレーニングを行っている方では、たんぱく質を意識して摂取しているという方も多いかと思います。
そんなたんぱく質ですが、もっと詳しく見ると、最小の構成単位であるアミノ酸にいきつきます。
今回は、その中でも運動にもっとも関連しているBCAAと呼ばれるアミノ酸について詳しく紹介していきます。
この記事の内容
BCAAとは?
BCAA(Branched Chain Amino Acid)は、日本語で分岐鎖アミノ酸と呼ばれるアミノ酸のことで、その名の通り構造に分岐した部分をもっていることが特徴です。
このような構造を、人間はつくりだすことができないため、食事から摂取しなければならないアミノ酸です。
BCAAには、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つのアミノ酸が該当します。
他の必須アミノ酸と比較した際のBCAAの特徴的な部分は、筋肉により多く存在しているということです。
そのため、BCAAを積極的に摂取することで、運動の際に筋肉で使われるエネルギー源として利用されやすくなったり、筋肉をつくる材料を供給することにも繋がります。以下で、BCAAを摂取する効果についてみていきましょう。
BCAAを摂取する効果
BCAAを摂取することで、運動に関する有益な効果を得ることができます。それらは、主に以下の3点に集約されます:
- 運動による筋肉痛を軽減する
- 運動による疲労感を軽減する
- 運動のパフォーマンスを向上させる
以下で詳しく紹介していきます。
①運動による筋肉痛軽減する
運動前にBCAAを摂取することで、筋肉痛を軽減できるとされています。
筋肉痛が発生する理由は完全に明らかではありませんが、運動により筋肉が破壊される際に生じる、血中クレアチニンキナーゼがその指標の1つと考えられており、BCAAはその活性を抑制します。
実際に、長距離走の選手を対象に行われた研究では、運動前にBCAAを摂取することで、運動後のクレアチニンキナーゼの活性を抑えられたことを報告しています。
参考)
・大塚製薬:BCAAを摂取することによる筋損傷への影響
・大阪府栄養士会:分岐鎖アミノ酸(BCAA)の機能性
②運動による疲労感を軽減する
BCAAは、運動前の摂取により、疲労感を軽減する効果があるとされています。
効果は研究によっても確認されており、長距離走の選手が運動前にBCAAを摂取したところ、運動後の疲労感が軽減されていたことを報告しました。
この理由として、血中のBCAA濃度が高まることにより、疲労物質であるセロトニンの脳への侵入を抑制できたことが考えられます。
参考)
・大塚製薬:BCAAを摂取することによる疲労感、筋肉痛への影響
・大阪府栄養士会:分岐鎖アミノ酸(BCAA)の機能性
③運動のパフォーマンスを向上させる
BCAAは筋肉により多く存在していますが、筋肉のエネルギー源としても効率的に利用されます。
その結果として、先に述べた筋肉痛や疲労感の軽減と相まって、運動におけるパフォーマンス向上が期待できます。実際に、運動選手がBCAAを摂取し、運動負荷試験を行ったところ、摂取していない人と比べて血中乳酸濃度が上昇しづらく、良いパフォーマンスを発揮しやすいことが確認されました。BCAAは、特に持久系の運動に対して、効果を発揮するのです。
参考)
・大塚製薬:BCAAの補給で運動パフォーマンスは向上する?
まとめ
今回は、アミノ酸の一種であるBCAA(分岐鎖アミノ酸)について紹介しました。BCAAは、食事から摂取できるのはもちろんですが、最近はサプリメントなど、運動前や運動中でも簡単に摂取できる製品も増えています。
しっかりと食事を摂るもよし、サプリメントで手軽に摂取するも良しなので、自分のライフスタイルにあった方法で試してみてください。
この記事を書いたトレーナー

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