トランス脂肪酸やオメガ6脂肪酸などの脂肪酸が、体に悪いということはよく聞くことです。
では、なぜそれらの脂肪酸は悪者にされているのでしょうか。
今回は、その2つの脂肪酸が体に悪いといわれる理由について紹介し、どのような食品を避けて、どのような食品を摂取すべきかについて解説していきます。
こちらも参考にどうぞ!↓
この記事の内容
トランス脂肪酸が体に悪い理由
LDLコレステロールを増やす働き
トランス脂肪酸が健康に悪いことは、多くの人が知っていることだと思います。
トランス脂肪酸は、脂肪酸の二重結合の部分がトランス型(水素原子が二重結合を挟んで反対側に結合している)のものを指します。
トランス脂肪酸の摂取は、心臓疾患、特に冠状動脈性疾患のリスクを高めることが知られています。これは、トランス脂肪酸に血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やす働きがあり、これによるものだと考えられています。
そのため、2020年版の日本人の食事摂取基準(案)においても、日本人での摂取量が比較的少ないことから具体的に基準値を定めていませんが、摂取量について「できるだけ低く留めることが望ましい」としています。
参考)
・厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の策定ポイントについて
加工食品を避ける
トランス脂肪酸の摂取量を低く抑えるためには、加工食品を避けることが重要です。
牛肉などの自然界に存在する食品にも含まれますが、微量です。
それよりも、人工的に生成されるトランス脂肪酸が問題となっています。
液体の油から個体の油を生成する際に水素添加と呼ばれる加工が行われ、その時にトランス脂肪酸が生成されてしまいます。
そのようにして作成された油脂は、マーガリンやショートニングなどに含まれ、それを使用した加工食品にも多く含まれます。
各食品企業の努力により、マーガリン等に含まれるトランス脂肪酸は以前と比べて少なくなっています。
しかし、加工食品を大量に摂取するような食生活だとトランス脂肪酸の摂取量は多くなってしまうでしょう。
加工食品に頼らない食生活の構築が必要となります。
オメガ6脂肪酸が体に悪い理由
質のオメガ6脂肪酸は必要
オメガ6脂肪酸は、人間の体で合成できない栄養素ですので、食事等によって摂取する必要があります。
加えて、LDLコレステロールとの関連を調べた研究では、炭水化物のかわりにオメガ6脂肪酸を摂取した場合にLDLコレステロールが低下したことを報告しています。
ですので、オメガ6脂肪酸をまったく摂らないようにするのは誤りで、必要な量をしっかりと摂取しなければなりません。
質の悪いオメガ6脂肪酸は炎症を引き起こす
しかし、摂取する際には注意が必要です。
摂取する油によっては逆に人間の体に悪影響を与えることもあるからです。
なぜこのような悪影響が生じるのでしょうか。
その理由は、リノール酸が炎症を引き起こすプロスタグランジンやロイコトリエンを生成するためです。
プロスタグランジンやロイコトリエンは、エイコサノイドとよばれる生理活性物質で、炎症性疾患の1種であるがんの原因になることが示唆されています。
参考)
・奥山 治美:リノール酸摂りすぎによる炎症性疾患としての癌, 日本環境変異原学会第31回シンポジウム
したがって、質のよいオメガ6脂肪酸の摂取は必要ですが、質の悪いオメガ6脂肪酸は摂取を控える必要があります。
ナッツやアーモンドで摂取する
質の悪いオメガ6脂肪酸の摂取を抑えるためには、サラダ油などの精製された植物油の摂取を控える必要があります。
これは、精製油では精製の過程で熱が加えられており、そのため酸化が問題となります。
逆にナッツやアーモンドなどの食品ではそのようなリスクが少なく、質のよいオメガ6脂肪酸の供給源となります。
これらを積極的に摂取するとよいでしょう。
まとめ
今回はトランス脂肪酸とオメガ6脂肪酸が体に悪いと言われる理由について紹介しました。
トランス脂肪酸もオメガ6脂肪酸も、摂取しすぎたり、質の悪い脂肪酸を摂取することで体に悪影響を及ぼします。
それらは加工食品に多く含まれているため、できるだけ避けることが重要です。
この機会に食生活を見直し、バランスの良い食生活を目指してみましょう。
この記事を書いたトレーナー

最新の投稿
タンパク質2020.09.04トレーニーがプロテインを飲んだ方が良い3つの理由
タンパク質2020.08.29たんぱく質の摂取は1度に大量?こまめに少量ずつ?
タンパク質2020.08.16筋トレしない日でもプロテインを飲んでも良い?
ダイエット2020.08.06ゼロカロリー飲料は太るは本当?嘘?ダイエット効果について紹介
この記事へのコメントはありません。