食欲暴走!満腹感なく食べすぎてしまう理由

食べすぎの原因はレプチン抵抗性

レプチン抵抗性とは?

食欲を抑えてくれるホルモンであるレプチンの効きが悪くなってい状態のことを「レプチン抵抗性」が生じていると言います。

 

通常だと、食事をしてインスリンが分泌されると、脂肪細胞からレプチンが作られ、食欲を抑えてくれるのですが、その効きが悪く、食欲が抑えられない人がいます。

 

そのような状態をレプチン抵抗性と呼んでいます。

 

参考)
・ e-ヘルスネット 情報提供. “レプチン”.

 

レプチンは食欲を抑制する働きのあるホルモンなので、それが十分な量分泌され、しっかりと効果を発揮していれば、それ以上の肥満を防いでくれるはずです。

 

しかし、十分にレプチンの効果が発揮されず、異常な食欲がおこり、食べすぎてしまう人がいます。このような人たちでは、レプチン抵抗性が生じていると考えられます。

 

レプチン抵抗性が生じるメカニズム

ここでは、レプチン抵抗性が生じるメカニズムについて紹介します。

 

レプチン抵抗性には、PTPRJ(protein tyrosine phosphatase receptor type J)と呼ばれる酵素が関係しています。レプチンは、分泌された後に細胞の表面にあるレプチン受容体に結合し、細胞内に情報として伝えられるのですが、この細胞内に情報を伝える働きを、PTPRJが阻害しているのです。

 

参考)
・一般社団法人 日本生活習慣病予防協会. “「食欲を抑えられない」のはなぜ? 食欲ホルモン「レプチン」のメカニズム”.

 

そのため、たとえ多くのレプチンが分泌されていたとしても、その情報が脳にまで伝りづらい状態 = レプチン抵抗性が生じてしまうのです。

レプチン抵抗性が生じる原因

①肥満

レプチン抵抗性が生じる原因として、肥満があげられます。

 

通常、レプチンの分泌量は、体脂肪量の増加(つまり肥満)によって上昇していきます。

 

なので、肥満の人はそうでない人よりも多くのレプチンが分泌され、食欲が抑えられていると考えられるのですが、それであれば肥満なんてすぐに解決するはずです。

 

しかし実際にはそうはなっていないですよね。そのため、肥満者ではレプチンの効きが悪い状態 = レプチン抵抗性が生じている、と考えられるのです。

参考)
・中尾一和. “肥満の分子機構-レプチンを中心に.” 肥満の化学 (第 124 回日本医学会シンポジウム) (2003): 36-44.

 

肥満を解消することでレプチンの分泌量は減ってしまうと予想されますが、そもそも肥満でレプチンの効きが悪くなるのであれば、その肥満を解消することで体型に見合った正常な食欲を手に入れることができると考えることもできるかと思います。

 

②高脂肪食

高脂肪な食事も、レプチン抵抗性を生じさせる原因の1つだと考えられます。

 

日本の基礎生物学研究所の研究者らは、マウスに高脂肪な食事を与えると、レプチン抵抗性が生じることを報告しました。

 

このレプチン抵抗性は、先ほど紹介したレプチン抵抗性の原因となる酵素:PTPRJが多く分泌されたことに関係しているとのことです。

 

参考)
・基礎微生物学研究所. “肥満をつかさどる脳内メカニズムを発見”

日常的な食生活でも、脂肪の多い食事を避けることで、レプチン抵抗性が生じることを防げる可能性があります。

 

高脂肪食を避けることは、食事を低カロリーにすることにも関係するため、ダイエットには一石二鳥といっても良いでしょう。

③運動不足

日常生活で運動が不足している場合、レプチン抵抗性が生じる可能性があります。

 

徳島大学の研究者らはマウスに運動をさせた際のレプチンの感受性について実験しました。

 

その結果として、マウスに運動をさせることで、レプチンの感受性が向上したことを報告しています。

 

これは、裏を返せば運動しないことがレプチン感受性を低下させていると捉えることもできるかと思います。

 

参考)
・志内哲也. “運動による脳レプチン抵抗性改善機序の解明”.  上原記念生命科学財団研究報告集, 27 (2013)

 

日常生活に運動を取り入れることは簡単ではないかもしれませんが、消費カロリーの向上にも一躍買うため、ぜひ挑戦していただきたいところです。

まとめ

今回は、異常な食欲が生じる原因としてレプチン抵抗性について紹介しました。

 

レプチン抵抗性の原因として肥満・高脂肪食・運動不足があります。

 

すぐに取り入れることができるものから、気軽に解消してみてはいかがでしょうか。

 

ダイエットが失敗する理由をまとめた記事を過去に書いていますので参考にしてみて下さい。

 

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